ながら運転、無灯火運転で高額請求、、自転車でも人生棒に振る可能性が?
自転車は手軽で便利な乗り物であり、大人から子供まで幅広く利用されていますが、統計によれば年間10万件近い事故が起こっており、死亡事故も何件か報告されています。
■自転車、法的には「軽車両」
自転車は道路交通法上、「軽車両」に分類されるので、歩道と車道の区別のあるところでは自転車は車道を通行するのが原則となります。歩道はあくまで歩行者優先です。歩道に「自転車通行可」や「普通自転車通行指定部分」の道路標識や道路標示が設けられている場合、歩道の通行はできますが、歩行者の妨げとなる場合は一時停止する必要があります。
どうです? かなり厳しいですよね。残念ながらほとんど守られているとは言い難い状況で、狭い歩道でも歩行者の横を縫うように疾走する自転車も少なくありません。
2015年6月から改正道路交通法が施行され、「自転車運転者講習制度」が始まりました。信号無視、スマートフォン(スマホ)などの「ながら運転」など、危険な自転車運転をして違反を3年内に2回以上した場合、講習を受けなければならないと定めています。
制度が施行された直後は「警察の取り締まりが厳しい」という声が聞かれましたが、今はどうでしょうか。私の印象だけかもしれませんが、最近は警察に止められている自転車を見たことがありません
事故の態様によっては過失の立証が難しい場合もあるかもしれませんが、相談のケースのように自転車の運転者が雨の日に無灯火で走行していたのであれば、運転者の過失が十分認定できると思われます。
請求できる損害は、自動車事故などとほぼ同じ考え方になります。つまり、病院での治療費や入院にかかった雑費、休業損害、入通院への慰謝料、後遺障害が残った場合には後遺障害慰謝料、逸失利益などが請求できます。また、不幸にして死亡した場合には死亡慰謝料も請求できます。時としてかなりの高額になるのは自動車事故の場合と同じです。
高額賠償を命じられた運転者側は賠償金を払いきれず自己破産することもあるようです。しかし、自己破産だけで支払い義務が消滅するわけではありません。裁判所から免責の許可を受けて初めて支払い義務がなくなります。
破産法では「故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権」は免責されないと規定しており、自転車事故により生じた損害賠償債権がこれに当たるかどうかが問題になります。
免責許可が出る場合もあるようですが、最近の判例では、夜間の歩道上を無灯火かつ時速25~30キロで走行する自転車が歩行者に正面から衝突した事案について「故意に比肩する程度に重い過失」と認定し、免責を認めませんでした。このため、過失の内容次第では自己破産しても免責許可が受けられず、一生支払い義務を負うケースもありうるのです。
実際、最近起きた女子大生が自転車運転中に死亡事故がありましたが、、、、、、